【独自記事】iPadOS16.1にアップデートしたiPadでWiFiを接続する時に気を付けたい重大ポイント
※本記事は、「iPadと学び」オリジナル記事としてご寄稿をいただいた記事です。
10月25日にiPad向けOS(iPadOS)の最新バージョンとなるiPadOS16.1がリリースされました。今回は、新しいバージョンとなるiPadOS16.1にアップデートした学校教育利用するiPadについて、注意いただきたい点がありますのでご紹介します。
現在iPadが導入されている小学校、中学校、高等学校においては、その管理手法がほとんどMDM(もしくはAppleConfigurator2)によって行われているとは思います。
しかし、まだ一部の学校において、学校の教職員がMDMなどの管理ツールを使わずに設定・管理しているところがあるのではないかと思いますが、それらiPadを今後、最新バージョンのiPadOS16.1にアップデートするのであれば、気を付けてもらいたい点があります。
手入力したWiFiパスコードがいとも簡単にバレてしまう
iPadOS16.1にアップデートしたiPadにおいて、WiFiに接続するためのパスコードを手動入力している場合、下のスクリーンショットにあるように接続しているWiFiの詳細画面に遷移すると、
パスコードの欄が新設されており、●●●●●●●●という箇所をタップすると、
これまで隠されていたパスコード情報が見えるようになっています。そして、さらにそのパスコードをコピーや読み上げすることまでできてしまう状況です。(下の画像にあるパスコードは本記事作成のために説明用として用意したものになり、あえて簡単なものにしています)
これら秘匿性の高い学内WiFiの接続パスコードが流出し、本来接続を想定していない機器(個人利用のスマホなど)まで接続されてしまうというリスクがあります。ただし、学内WiFiへ接続できる機器について制限(MACアドレス制限など)するなどの対策をしている場合は、この限りではありません。
しかしながら、大切な情報が前述のように流出してしまうリスクを抱えたままの状況になるため、すぐにでもiPad管理方法の是正が必要となります。具体的には、MDMやAppleConfigurator2による管理方式への移行です。
今回の記事では、これら望ましい管理方式の導入方法について詳しく記述はしませんが、もし詳しい情報が必要でしたら、iOSコンソーシアム、またはコンソーシアム会員企業までお問合せいただければと思います。
プロファイルで設定されたWiFiのパスコードは情報保護されている
これまで説明をしてきたWiFiパスコード流出の危険性があるのは、あくまでWiFiパスコードを手入力したものに限った話となり、MDMやAppleConfigurator2にて設定を行ったWiFi(正確に説明するとMDMプロファイルにてWiFi情報を登録している場合)の場合、パスコード情報は保護され、パスコードの表示欄自体は画面上に出てくることはありません。
本記事を読んで頂きました学校の教職員の皆様におかれましては、自分たちの学校で利用しているiPadの設定状態を今一度ご確認頂きまして、WiFiパスコード情報の流出を未然に防ぐための対応を取っていただければと思います。
執筆:教育産業株式会社 ICT推進部
チーフコンサルタント 山口宗芳
教育機関向けiPad導入運用サポートを担当。これまでに学校導入に携わったiPadは10万台超。iPad本体だけではなく、Apple社の提供する学校向けソリューションであるApple School ManagerやApple Configurator2の知識を有し、周辺機器やMDMなど幅広い製品を含め、iPad導入計画の立案や提案、運用に課題を抱えている教育機関へ最適なソリューションを提案・提供している
2019年3月、Appleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクター認定