iPad画面ロックの解除パスコードを忘れてしまった際のMDMでの対処方法
※本記事は、「iPadと学び」オリジナル記事としてご寄稿をいただいた記事です。 執筆:教育産業株式会社 チーフコンサルタント 山口 宗芳 様
iPadを導入した学校において、発生するトラブルの中でも比較的多いのが、iPadの画面ロックを解除するためのパスコードを設定したユーザー本人が忘れてしまって、ロックの解除ができない、というトラブルです。
そんな場合は、学校のiPad管理者に問合せが入ると思いますが、このようなケースで管理者側で取ることのできる解決方法がありますので、ご紹介します。
MDMよりパスコードリセットを実行する
画面ロック解除のパスコードを失念してしまったiPadに対しては、MDMで管理していることを前提条件に、パスコードをリセットするという機能があるので、そちらを実行すれば設定されていたパスコードが解除され、ホームボタンを押せばいつものiPadの画面を開くことができるようになります。
参考までにmobiconnectでのパスコードリセット画面を紹介します。(左側がUIバージョン2、右側がUIバージョン3での画面表示となります。)
WiFiモデルのiPad特有の落とし穴
前述したとおりに、MDMから該当のiPadに対して管理者がパスワードリセット指示を配信したら基本的にはOKなのですが、WiFiモデルのiPadの場合は、パスコードリセットが実行されるための条件があります。
それは、WiFiに接続されている状態であるということです。MDMから実行したい指示を配信したとしても、受け手側となるiPadがWiFiに接続できていないと、指示が届かないという状態となり、そのまま待っていてもパスコードは解除されません。
WiFiに未接続だと初期化するしかないのか?
WiFiに接続されていなかったら、接続すれば良いのじゃないかと考える方もいらっしゃると思いますが、そもそも画面ロックの解除ができないため、設定アプリを起動してWiFiに手動で接続するという行為自体ができないのです。
こうなると万策尽きたということでお手上げ状態となり、初期化して再度設定を始めからやり直しするしかないのか…と思うかもしれませんが、まだ解決できる方法が残されています。
それは、とある周辺機器を使って行う方法になります。
Lightning – LANポートアダプターを使って解決
とある周辺機器というのは、Lightning – LANポートアダプターになります。(無印iPadの場合)
USB-Cポートが付いているiPad Proの場合は、USB-C – LANポートアダプターがそれにあたります。
ご存じない先生もいらっしゃるかもしれませんが、iPadはこれらのアダプターを介すことにより、有線LANでの接続によるインターネット通信に対応をしています。
参考までに該当する商品へのリンクも貼っておきます。
ライトニング to LANポート + ライトニング変換アダプタ(Belkin)
このアダプターを使い、校内で利用が可能なLANケーブルとiPadを接続することで、MDMで配信したパスコードリセットの指示を受け取ることにより、解決することが可能です。
なお、Lightning – LANポートアダプターは、大手ECサイトで価格をチェックしたところ、2,000~3,000円の販売価格となっています。
最後に
iPadを初期化して再セットアップを行うのは、1台だけでも作業負担は重いものがあります。
今回ご紹介したアダプターを購入することができれば、それを駆使してMDMを使って素早くパスコードのリセット指示を配信、その後リセットが反映されたことを確認して、再び持ち主である児童・生徒に返却するというプロセスが比較的短時間で完結することができます。
なお、パスワコードのリセットをし終えたiPadには、再びパスコードの設定を行うこと、そして再び失念してしまうことのないようにパスコード管理も徹底しましょう。
執筆:教育産業株式会社 ICT営業部
チーフコンサルタント 山口宗芳
自己紹介
教育機関向けiPad導入運用サポートを担当。これまでに学校導入に携わったiPadは10万台超。iPad本体だけではなく、Apple社の提供する学校向けソリューションであるApple School ManagerやApple Configurator2の知識を有し、周辺機器やMDMなど幅広い製品を含め、iPad導入計画の立案や提案、運用に課題を抱えている教育機関へ最適なソリューションを提案・提供している。
2019年3月、Appleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクター認定。