【独自記事】DEP登録済iPadが故障、修理に出す際はASMの所有権解除はしないで!

GIGAスクール構想や保護者負担で購入、学校利用のための初期設定時点でDEP(Device Enrollment Program)登録済iPadが、何らかの事情により故障してしまった時に、修理対応を進めることになりますが、修理に出す際には必要な手続きとしてはいけない手続きの2つがありますので、注意いただきたいことを踏まえてご紹介いたします。

Apple School Managerで所有権解除はしない

先生方で壊れてしまったiPadを修理に出す時には、MDMのライセンスの登録解除をする必要があるケースもあります。それは、落下等にによってiPadに破損が見られ、iPadを本体ごと交換する判断がなされた場合にあたります。

それ以外は、OSの不具合等によってiPad本体は変更されることなく、同一の機器のままで使い続ける場合は、この限りではありません。ただし、修理によってiPadが初期化された場合は、同一のiPadであっても再登録するために、ライセンスの登録解除が必要となります。

また、MDMの登録解除が必要になったiPadだったとしても、Apple School Manager上で壊れてしまったiPadの所有権の解除はする必要はありません。こちら、Apple School ManagerでのiPad管理運用の知識が不十分な修理対応業者によっては、Apple School Managerの所有権を解除しておかないと作業が進められないという申し伝えがあるかもしれませんが、こちらに応じて所有権解除をしてしまうと、修理交換後のiPadがApple School Manager上で未登録扱いになってしまい、その後の再セットアップを進めるにあたって支障を来たすことになります。

~Apple School Managerでの修理または交換されたデバイスの割り当て~

https://support.apple.com/ja-jp/guide/apple-school-manager/asm1f5e148a4/1/web/1

もし所有権解除をしてしまったら

もし、所有権解除をしてしまった際、交換後のiPadを再びDEP登録をする手段は、MacアプリケーションのApple Configurator2による手動DEP登録が唯一の選択肢となってきます。

手動DEP登録にはデメリットがある

手動DEP登録にはデメリットがあり、登録後約1か月間は画面ロック状態のホーム画面の下に、コメントで

このデバイスはリモート管理されています。”設定”でリモート管理から離れることができます。

という表示がされており、MDMの管理対象外にすることができる、とわざわざiPad自身がお知らせをしていることになります。

具体的には、設定アプリから

一般 → デバイス管理

にあるプロファイルにて、管理するMDMのプロファイルが保存されているものの、下の画面内で矢印で示している部分にある、

リモートマネジメントから離れる

という部分をタップすると、パスワード保護もされていなくて、即座にプロファイルが削除できてしまう状況になります。

ユーザー側でこの操作を実行したiPadは、工場出荷状態にするために初期化のプロセスが進んでいきます。初期化が終わったiPadは、市販のiPadとまったく同じ状態になり、MDMの管理、またMDMプロファイルを通して配信された機能制限や学内WiFiの設定情報、アプリケーションなどがすべて削除されてしまいます。

ASM所有権の解除をしないことが最善の策

これまでお伝えしてきましたが、およそ30日間という期間が限られてはいるものの、ユーザーリモートマネジメントから離れることが可能な仕様となっているのが手動DEP登録のデメリットになります。この状態でも児童・生徒に渡すこともできますが、極力こちらの手段を使わないようにすることが賢明です。リモートマネジメントから離れると再び設定をやり直しする必要があります。