【イベント議事録 8/9】広島城北中・高等学校 飯盛 聡士 先生「カメラアプリでタイムラプス映像を撮ろう」

2021年8月28日に開催されたオンラインイベント「iPadで臨時休校を乗り切るための環境整備と授業デザイン」のアーカイブ記事、全9編中の8本目です。
本記事はiOSコンソーシアムの代表理事の野本竜哉が執筆している本サイトのオリジナル記事です。本記事の著作権はiOSコンソーシアムに帰属します。

目次はこちらのページを参照
https://giga.ios.or.jp/hint/202108monthly_conf_reference/

飯盛先生


▲今日はiPadで必ず入っている「カメラ」のアプリの活用方法についてご案内します。

 


▲私の学校では「今しかできないことを、ここでしかできないことを」をモットーにしています。

▲本校の授業中の様子です。生徒は、背景に人が映らないように肖像権を気にして撮影をしています。また、カメラアプリで写真を記録してロイロノートで実験の様子を共有したり、カメラのスローで回すと実験中に「爆発」する様子がかなりきれいに見えるので、その動画をiMovieで編集したりしています。また、フックの法則を表計算で考えたりするなど様々な実践をしています。


▲さて、カメラは通常、起動すると「写真」モードになっていますが、フリックして切り替えると、「タイムラプス」という機能を使えます。

 


▲カメラは見えているものを見えるようにする、見えにくいものを見えるようにする、見えないものを見えるようにする。という3つの機能があります。

 


▲顕微鏡とiPadを組み合わせるにあたり、1cmの厚さの発泡スチールを2枚重ねて、iPadを接眼レンズにつけるようにしてみました。こうすると、接眼レンズ越しの映像をみんなで共有できますし、綺麗に標本の撮影ができます。また、iPadのインカメラだとなぜかリモコンの光が見えるようになります。

 


▲さらに、LEDは高速でチカチカしているのですが、交流電流は電圧を下げると点滅する様子がカメラ機能の「スロー」で撮影するとちゃんと見えるようになります。

 


▲さて、タイムラプスですが、長い時間かけて起こることを短い時間に短縮して見えるようにする、ということができます。これは過マンガン酸イオンの電気泳動の実験ですが、色のついたイオンの移動の様子をタイムラプスで観察できるようになります。紫色のシミが右方向(+)に動いているので、紫色のシミは−電荷を帯びていることがわかります。

 


▲これを先生が事前に撮影しておき生徒に提示することもできると思いますが、児童生徒に自宅で宿題として撮ってきてもらうということもできます。ただ、撮影するときにはiPadを固定するための器具が必要になります。重い辞書でサンドイッチで挟むなどの工夫をし、動かさずに待つ忍耐力が必要。

 


▲今年の夏休みは、家でタイムラプス映像を撮ってきてくださいね、という宿題を考えてもらいました。タイムラプス映像を撮って、それに連動する「問」を5つ考えてもらうというもの。撮影は簡単ですが、問を立てるのが意外と難しいです。
実際に生徒が撮影してきた作例を6つほど紹介します。

▲この例は、左が化学繊維、右が綿の糸ですが、青の方が早く水が減っている。これがなぜなんだろう?ということを考える例。

 


▲あさり貝を買ってきて、ボトルにいれて観察している例。貝がゆっくりと潜っていく様子がわかる。

 


▲花が咲く映像を撮った人もいます。ゆりの花が少しずつ開いていく様子の撮影に挑戦。

 


▲かすみ草に色がついてく様子を撮影した人もいます。

 


▲さらにラーメンが段々のびていく様子を撮った人もいる。

 


▲おむすびを容器に入れて腐っていく様子を撮影した人も。

 


▲最後に、オンライン授業について。
昨年の3-5月で取り組んだ。いろいろ仕組みや授業の内容がありますが、大事なことは教員や学校が生徒や保護者を思うマインド。対面であれ、オンラインであれ、生徒児童との関係性が大事。

これからも台風などの際に今回の経験亜h必ず使える。家庭によってはWiFiがつながらないということもあります。非常事態ではトリアージ的な考え方も必要。あとから巻き戻すにはパワーが必要になりますが、できるだけリスクを避けることも必要。

ということで、最後にもう一度こちらを。

 

(記事第9弾に続く)