【イベント議事録 2/9】岐阜県白川村 ICT支援員 柴原 孝治さん「Zoomオンライン授業を即開始させた公立学校の話」

2021年8月28日に開催されたオンラインイベント「iPadで臨時休校を乗り切るための環境整備と授業デザイン」のアーカイブ記事、全9編中の2本目です。
本記事はiOSコンソーシアムの代表理事の野本竜哉が執筆している本サイトのオリジナル記事です。本記事の著作権はiOSコンソーシアムに帰属します。

目次はこちらのページを参照
https://giga.ios.or.jp/hint/202108monthly_conf_reference/

柴原さん

一人一台が配備されていたちょっと特殊な公立学校だったのが白川郷学園。
ただ、皆さんは今の段階では同じ状況になったと思っています。


今日はこのページ1枚で説明しようと思います。

2月27日に安倍首相からの一斉休校依頼がありました。
翌日、教育委員会にオンライン授業の打診をICT支援進としてしに行った。
そこで教育委員会が学校に問い合わせたところ、学校と意気投合。週明けから動き出しが始まり、まず3月第一週に教員向けのZoomの体験を実施。この段階でZoomを使ったことがある先生は誰もいなかった。

とりあえず先生がZoomを触ってまず理解するところからスタート。その翌週に初心者向け講習を私が行った。
並行して各家庭のWiFiの環境調査を行うべく、各家庭にペーパーを配った。

白川郷学園は少数、110名の生徒しかいない学校であったのですが意外と蓋を開けてみるとWiFiが全くない家庭というのは少なく、5家庭くらいでした。そこで、先生は生徒よう接続マニュアルを作り、WiFi環境がない家庭にはポケットWiFiを配布した。

このポケットWiFIは2月28日の段階で想定できていたので、教育委員会から通信事業者に確認済みだった。

そして3月16日、まず「朝の会」だけをするZoomオンライン化を1週間やってみた。そこで接続トラブルが多発したので、手の開いた先生が電話などで確認をしてこの1週間で環境の整備を行った。必要な場合は先生が家庭に走って対応することもあった。

しかし3日目以降はZoomの入室トラブルはなくなり、翌週23日から、まず1限だけで良いからオンライン授業をスタート。4月以降は最低4限以上のオンライン授業ができるようになった。当初なかなかうまく授業ができる状況ではなかったが、慣れの中で徐々に品質が上がっていった。

保護者として先生の授業に参加し、先生に対して授業改善のアドバイスをさせていただくこともあった。

例えばチャットで子供達同士で会話をしているような問題が出た時には必要に応じて先生に状況を伝えてチャットのルールを設定した。

また、Zoom爆弾と呼ばれるトラブルを避けるためのセキュリティ設定なども適宜見直しながら進めていった。

白川郷学園のポイントは、とにかく各家庭のWiFI環境をどうするべきか、まずつなげるようになったら生徒のフォローをしっかり行い、現場の先生たちが学びを止めないために先生が奮闘したことによりどんどん品質が上がっていった。

みなさまも一つずつ順序を追って進めていけば、オンライン授業はかならずできると思います。

また、教育委員会などの決定権を持っている人の柔軟な対応も肝になるので教育委員会の奮闘も必要です。

 

(記事第三弾に続く)