【イベント議事録 1/9】主催者iOSコンソーシアムからのご案内
2021年8月28日に開催されたオンラインイベント「iPadで臨時休校を乗り切るための環境整備と授業デザイン」のアーカイブ記事、全10編中の1本目です。
本記事はiOSコンソーシアムの代表理事の野本竜哉が執筆している本サイトのオリジナル記事です。本記事の著作権はiOSコンソーシアムに帰属します。
目次はこちらのページを参照
https://giga.ios.or.jp/hint/202108monthly_conf_reference/
最初に、主催者であるiOSコンソーシアムの代表理事である野本竜哉より開催にあたっての挨拶をいたしました。今回のイベントは実質的にイベントの10日前に企画を開始し、開催案内は開催1週間前からという文字通り「緊急開催」として企画されたものです。
冒頭、イベント参加者の方々が半分以上「iOSコンソーシアム」の主催するイベントに初めて参加するという状況を踏まえて、この一般社団法人の活動概要として「iPadの教育活用に特化した先生と企業の連合体」であることを説明しました。学校の先生だけではなく教育に関連する企業の方や教育委員会・議員の方が一緒になって議論をするような場を「月例勉強会」として定期的に開催していることを紹介しています。
その一例として、コロナウィルスが広がる前までは基本的にオフラインで、BYODやWEBフィルタリング、プログラミング教育といった旬なテーマを取り上げ、この当時は私立学校の教職員の方が多かったのですが、そうした方と解決策を持っている企業のマッチングをおこなってきました。
それが2020年度以降はコロナ対応やGIGAスクール対応のため、イベントの実施形態をオンラインに切り替えました。ただ、この日のイベントは47都道府県のうち44の都道府県から申し込みがあったのですが、このように全国の方が同時に参加できるというメリットも生まれています。
こうした活動を主導しているのが「文教ワーキンググループ」で、そのリーダーをしているのが竹谷房寛から挨拶をさせていただきました。
竹谷「本日は遅い時間にもかかわらず多くの方に参加いただきありがとうございます。先ほど野本からも案内がありましたが、これまで主力としておこなってきたオフラインでのイベントは2020年の2月が最後となりまして、それ以降はオンラインでの開催に舵を切っております。オンラインは多くの方が参加できるという面もありますが、顔が見えないデメリットなどもあります。ただ、民間企業なども営業活動をオンライン形式に切り替えるなど動きを変えており、こうした活動が一層重要になってきております。本日はより多くのことを皆さんに学んで持ち帰っていただければと思います。」
続いて、臨時休校やコロナ対応として「オンライン授業」を行うにはいくつかの手法があることをお示ししました。
その中でも特にわかりやすいのが、福岡市の吉本悟 先生が作られたこちらの資料です。(引用元はこちら)
この資料にあるように、ビデオ会議システムなどを使ってリアルタイムに行う「同期型」と、課題を配ったり、動画を見てもらったり、AIドリルなどのアプリを使ってもらったりといった「非同期型」という大きく2つの手法があります。さらに、教材については先生が自分で作るパターンと、あらかじめある教材を利用するパターンにも分けることができます。
このように、オンライン授業というのはZoomなどのWeb会議システムを使って授業を生中継するだけではない、ということをまず共通認識としてみなさんに持っていただければと思います。
しかし、Zoom / Google Meet / Microsoft Teams などのWeb会議システム越しの授業において、児童生徒の皆さんが受ける授業のイメージは実は対面での授業とは大きく異なっていることが多いことに留意する必要があります。
というのも、こういう現象が起きるからです。先生は左の画像のように黒板の文字が綺麗にWeb会議の向こう側の児童生徒に見えていると思いがちなのですが、実際の児童生徒の画面では右側のように見えているかもしれないのです。何となく心の目で見れば読めるかもしれないけどようわからん、ということがありうるのです。
さらにこれは映像だけではなく音声でも言えることで、先生が教科書何ページとか、どんなアプリを使うとか、そういった指示をしているのですが、児童生徒には肝心の教科書のページ数の部分が聞き取れなかったり、どんな指示がされているかの部分で音声が飛んだりといったことが普通に起きます。
これはなぜかというと、Web会議システムは受信する児童生徒側のインターネットの通信環境により大きく品質が劣化するということが起きるからです。特にマイクについては、集音・撮影をするカメラやタブレットなどが教室の後方にあると全く先生の音が拾えていないというケースもあり得ます。しかも、それが授業をやっている先生には非常に気づきにくいというのが大きな問題なのです。すでに2学期が始まっていて、オンライン授業にチャレンジした人はこのような経験をすでにされているかもしれませんね。本日はこの辺りの内容も意識してお話を聞いていただければと思います。
ということで、本日は2020年度の3月の一斉休校の際に、「手元にはiPadはあるんだけど、オンライン授業はほとんど経験がない」という状況の中で何とかオンライン授業を試行錯誤しながら実現した方々にお話しを聞いてみたいと思います。本日登壇する8名の方はそうした修羅場をくぐり抜けてきた方々です。前半は、主にオンライン授業や指導実現についての環境整備に関すること、後半はオンライン授業における授業デザインや実践事例についてそれぞれお話をいただきたいと思います。
(記事第二弾に続く)