初期化したiPadをMDMに自動再登録できる【サービスに戻す】機能紹介

始めに

2023年9月下旬にリリースとなったiPadOS17の新機能にて、以下が追加されています

「サービスに戻す」を使って、MDM は消去コマンドに Wi-Fi の詳細情報とオプションの MDM 登録プロファイルを含めて送信できます。デバイスはすべてのデータを消去した後、自動的にホーム画面まで進み、使える状態になります。

参照元:iPadOS 17 のエンタープライズ向けの新機能 ~ Apple サポート (日本)

こちらのページでは、実際に上記の新機能について、iPadOS17にアップデートしたiPadと新機能に対応をしているMDM(mobiConnect for Education)に検証を行った際の動画(編集無しで7分程度)を後にご覧いただきます。

学校現場における【サービスに戻す】機能のメリット

まずは、今回取り上げる新機能について、iPadを導入している学校においてのメリットをお伝えします。

新機能が役に立つケースは、以下の条件と合致する学校になります。

  1. 学校で使っているiPadは、個人購入ではなく、学校(教育委員会、国立大学附属校、私立校など)で予算を確保して購入したもの
  2. 学校を卒業した児童・生徒が使っていたiPadを、新入生分として再利用するため初期化の上、初期設定を行う必要がある

iPadOS16以前は、初期化したiPadについて再びMDM管理下に置くためには、設定を担当する人によって1台ずつ手動でMDM管理下におくための操作が必要でした。

これら手動によるMDM再登録手続きは、作業担当者にとって作業的にも時間的にも大変大きな負担がかかってしまうものでした。

(GIGAで整備されたiPadは、1つの自治体で多いところでは1万台を超える自治体も実際にあります)

その再登録に係る業務負担を減らすことができるのが、今回紹介します【サービスに戻す】という新機能になります。

検証レポート

検証環境

  • 利用MDM:mobiConnect for Education(インヴェンティット株式会社)
  • 弊社mobiConnect検証用アカウントにて管理端末として登録済の自社保有iPadで検証
  • 検証した日付:2024年1月23日

操作手順

  • 端末管理より、作業対象となるiPadをリストから探し出して、リスト左端にあるチェックボックスにチェックを入れる
  • 画面上部にある紛失時対策をクリックする

  • 紛失時対策メニュー画面より、遠隔初期化のラジオボタンをクリック
  • 右下の【次へ】ボタンをクリック

  • 遠隔初期化設定にあるパスワード欄に、管理者パスワードを入力
  • 同意するのチェックボックスにチェックを入れる
  • 画面左にある遠隔初期化後の設定をクリック

  • 作業場所で利用できるWiFiネットワークを指定(事前にmobiConnect側で登録されているもの)
  • 右下にある【OK】をクリック

以上で、iPadに対して初期化指示が実行されることになります。

実際に操作が実行された際の動作が分かる動画を以下に用意しました。およそ7分程度あります。編集はせず、あえて1台あたりの作業にかかる時間を確認いただきたいので、編集無しで掲載します。(なお、mobiConnectは2024年1月23日時点のシステムバージョンとなり、その後のシステムアップデートにより設定画面の内容に変更が発生することもございますので、予めご了承ください)

遠隔初期化後の自動再登録の利用条件・仕様

WLAN設定を選択することで、遠隔初期化後の端末は選択したWLAN設定のネットワークに接続し、自動的にmobiconnectに再登録されます。
※DEPプロファイルの設定で「MDM登録時に認証画面を表示しない」のチェックを外している場合は端末側で認証情報の入力が必要です。
端末は、DEPプロファイルで設定している登録先グループに再登録されます。

■利用条件

利用には以下の条件を満たしている必要があります。

iOS/iPadOS17以降のDEP端末であること
端末にDEPプロファイルが割り当てられていること
WLAN設定で選択するWLAN設定の「自動接続」の設定が「する」になっていること
「遠隔初期化設定」タブのスケジュールを設定していないこと

■選択できるWLAN設定

プルダウンで選択できるWLAN設定は、遠隔設定フィーチャーセットのWLAN設定に登録してあるWLAN設定のみです。そのため、自動再登録の利用時に接続したいネットワークの設定はあらかじめWLAN設定に登録しておく必要があります。
また、端末の初期化後にこのネットワークに自動接続して端末登録を実行するため、該当のWLAN設定は「自動接続」の設定が「する」になっている必要があります。

■DEPプロファイルのスキップ項目について

WLAN設定を選択して自動再登録を行う場合は、DEPプロファイルの「デバイス設定アシスタントでスキップさせる設定項目」の設定値に関係なく、すべての項目をスキップして再登録が行われます。そのため、必要な設定は自動再登録後(ホーム画面表示後)にご対応ください。
※ただし、DEPプロファイルの設定で「MDM登録時に認証画面を表示しない」のチェックを外している場合は、スキップさせない設定の項目も表示されます。

参照ページ → 遠隔初期化を実行する mobiConnectオンラインマニュアルページより

執筆:教育産業株式会社 営業企画室 

チーフコンサルタント 山口宗芳

教育機関向けiPad導入運用サポートを担当。これまでに学校導入に携わったiPadは10万台超。iPad本体だけではなく、Apple社の提供する学校向けソリューションであるApple School ManagerやApple Configurator2の知識を有し、周辺機器やMDMなど幅広い製品を含め、iPad導入計画の立案や提案、運用に課題を抱えている教育機関へ最適なソリューションを提案・提供している
2019年3月、Appleプロフェッショナルラーニング基礎スペシャリスト認定

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