負担の少ないMDMの年度更新とは? ~mobiconnectの場合~

昨年度末までにGIGAスクール構想で自治体に導入されたiPadについて、2022年3月から4月にかけて年度更新を迎えることになります。

今回は、GIGAスクール構想で多くの自治体にiPadとセットで導入されている、mobiconnect for Educationを例に挙げて、作業負担の少ない年度更新の例をご紹介します。

(教育産業株式会社 ICT営業部 チーフコンサルタント 山口 宗芳)

MDMの年度更新ってなに?

下の画像にあるメニューから、グループ管理をタップします。(マウスの場合はクリック)

すると、mobiconnectを契約した教育委員会名や私立校名が表示されていると思います。

これがmobiconnectで言うところのiPadを管理しているグループの単位となります。

グループ管理画面から、このトップグループの傘下に新たなグループを追加することが可能になります。

教育委員会でのグループ管理

例えば、教育委員会であれば、

○○市教育委員会 の下に、

  • ○○小学校
  • △△小学校
  • ◆◆小学校
  • ■■小学校
  • ◎◎中学校
  • ◇◇中学校

というグループを作り、

各校ごとに、小学校であれば

  • 6年生
  • 5年生
  • 4年生
  • 3年生
  • 2年生
  • 1年生

という6つの学年を作り、

学年ごとに、

  • 1組
  • 2組
  • 3組

というようにクラスを作ることになるのが、一般的となります。

そして、それぞれのクラスに所属する児童・生徒のiPadを割り当てて完成ということになります。

私立校の場合

一方で私立校の場合は、教育委員会名ではなく、契約者である学校名がトップグループとなるため、

  • 学年

という傘下グループを作成し、それぞれの組へ児童・生徒のiPadを割り当てる流れです。

今回クローズアップするMDMの年度更新というものは、2021年度卒業生のiPadを、2022年度の新入学生に割り当てを変更したり、進級、クラス分けが決まった後に、上記で2021年度分として登録したクラス構成を、2022年度用に児童・生徒のiPadの割り当て先を変更というものです。

具体的な手順

実際にどんな作業をするのかというと、mobiconnectの管理画面にログイン後、操作メニューにある端末管理から、子供たちのiPadをそれぞれ、新たなグループへ移動させる、という操作が必要となります。

 

手始めに、iPadの受け皿となるグループ=組・クラスに前年度と比べて増減があるかどうか確認し、クラスが増えることになった場合は、新たにグループを追加することが必要です。

追加することは比較的簡単ですが、クラス減となった場合、該当するクラスを削除するには注意が必要です。

当然、前年度のクラス構成で必要のなくなったクラスへ割り当てられているiPadが残っている場合は、削除はできません。

先に卒業・進級となった児童・生徒たちのiPadを、新たなクラスへグループ移動させる必要があります。

削除したいグループに、iPadが1台も存在していない状態になって初めて該当の組・クラスのグループを削除することができます。

これら、すべての手順を1台毎に行うことも可能ではありますが、大規模自治体となると数万台のiPadに対して、グループ移動を掛けるのは相当な業務負担となってしまうことから、複数台一括でのグループ移動も可能な操作方法が用意されているため、積極的に利用したいところです。

年度更新を楽に進めたい場合どうするか?

多くの自治体や私立校のiPad管理担当者が、この年度更新の手続きをなるべく楽に行う方法をご紹介します。

こちらで紹介する方法は、昔からiPadを導入している先進導入校の先生方が編み出した技になります。

学年でのみのグループ管理

組・クラスのグループ管理を行わず、学年だけでのグループ管理とするのが1つ目の方法です。

この方法を採用することで、年度が替わるごとに、管理するiPadのグループ移動の項目からクラスがなくなるため、学年の進級だけで事が済みます。

入学年度によるグループ管理

もっと楽になる方法を2つ目として紹介します。それは、組・クラスの管理のみならず、学年でのグループ管理ですら止めてしまって、新たに入学年度によるグループ管理に置き換える方法です。

こちらを採用することで、義務教育課程においては、年度更新することがなくなります。

体裁を整えるよりも運用の業務負担軽減を優先できるか?

上記で紹介した2つの方法を採用するには、一種の割り切りが必要となります。

一番初めに紹介した、教育委員会→学校→学年→組という風に細かくグループを設けて、児童・生徒のiPadを該当するクラスに割り当てる方法は、確かに体裁は整っているようには見えます。

しかしながら、それらはあくまでiPadの運用のスタート時での体裁を優先にしているのではないでしょうか?

MDM(mobiconnect)によるiPadの管理上、グループごとに設定内容の変更やアプリケーションの配信・アップデートすることが可能ではあるものの、学校組織での最小単位である組・クラス毎に前述した内容の操作を実際にすることがあるか、それぞれ組織内で考えていただいた方が良いかと思います。

iPad導入先進校の多くが、クラス単位での変更などはほとんどなく、1学年・または複数学年一括での変更が多いという結論に至り、学年での管理や入学年度による管理に置き換えていっています。

この記事が、日本全国のmobiconnectでiPadを管理されていらっしゃる担当者のみなさんに参考になればと思います。

※mobiconnect for Educationをお使いの方向けに、年次更新手順のウェビナーを開催しています。こちらもぜひご参加ください。

【学校関係者様向け】年度末・卒業/入学に必要なiPad年次更新手順