【イベント議事録 3/9】株式会社情報通信研究所 平井 聡一郎さん「オンライン授業 基本のキ そもそもオンライン授業って何?」
2021年8月28日に開催されたオンラインイベント「iPadで臨時休校を乗り切るための環境整備と授業デザイン」のアーカイブ記事、全9編中の3本目です。
本記事はiOSコンソーシアムの代表理事の野本竜哉が執筆している本サイトのオリジナル記事です。本記事の著作権はiOSコンソーシアムに帰属します。
目次はこちらのページを参照
https://giga.ios.or.jp/hint/202108monthly_conf_reference/
平井さん
▲今日は授業デザインの話をしたいと思います。
ZOOMで授業を流しっぱなしは正直、あまり良くない。
▲通常の授業と緊急事態対応は考えを変えた方が良い。
▲緊急事態対応ではそもそも学校だけが学びの場ではなくなり、家庭での学びも考慮に入れる必要がある。ただ、この緊急事態の学びに対応することは普段の学校での学びに付加価値をもたらす部分もあり、うまく対応することで家庭と学校の学びをつないだ立体的な授業デザインにもつながってくるので、緊急事態対応では考え方は変えるといっても普段の授業デザインにもICTを活用した家庭学習の観点から必ず役立つ。
▲学ぶ場所に応じた学び方の多様化。知識を身に付けるならAIドリル、知識理解はオンデマンド。これらは学校でなくても別にいいよね。家庭の学びと学校の学びをうまく分ける。学校の学びを定着に使う。家でオンデマンド教育をやってレポートを出す。事前に調べ学習をして対面学習をして動画などのレポートを作る。学校と家庭の学びがうまくつながる授業デザインが通常時が理想。
▲ただ、緊急事態ではこうなる。
▲知能はAIドリル、知識理解はオンデマンド、思考は探究方の学び。これがAIドリルを例にすると、課題→AIドリルと質問タイム→学びの確認→AIドリル(復習)、そして課題に戻る、といったサイクルを回すことができるようになる。45分・50分のオンライン授業でやれることと、家庭の自分でやれることが出てくるのでこの部分のデザインは授業の内容によって変わってくるだろう。クラスルームで課題を出して自由に取り組んでもらうこともできる。授業時間は質問だけということもできる。
▲オンデマンド教材を使った場合、最初は「課題を確認」し、それに対して生徒児童がレポートを作り、それを提出した後、共有画面でみんなでお互いにフィードバックをしあう。最終的に課題を提出し、それを評価し、評価後にオンデマンド教材を見て課題に戻る、というサイクルが1〜2単位時間でやれる。ここも、45分の授業でどこをやるのかが設計のポイントになる。
▲特にICTの良いところは「共有」。オンラインで先生と生徒だけのやりとりをするのではなく、生徒同士のやりとりができるようにするのが肝になる。
▲さらに探究。オンデマンド教材の部分が「リサーチ」に変わる。この順番が多少変わってもいい。45分や45分✖️2でもよいし、リサーチを1コマ使ってもいいし、次の時間までに各自課題として取り組んでも良い。
▲ここでも「共有」とフィードバックを活用するのが良い。GoogleドキュメントやGoogleスライドなどを活用することで、対話的な相互学習ができる。
▲オンライン学習のポイントは、一斉に説明する場面、個別で活動する場面、学習者同士が対話する、共有されていればコメントなどを通じてやりとりをすることもできる。
▲オンラインで繋がっている時間と、一人で集中しているオフラインの時間もある。共有されていれば、1枚のシートをみんなで一緒に作業することもできる。
▲考えて欲しいのは、緊急事態のオンライン学習は、ネクストコロナの学習につながる学びになることが重要で、これを「特別なもので終わらせない!まずやってみよう!そこでどんどんバージョンアップしていけばOK!
(記事第四弾に続く)